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配当を受ける権利と株主の権利

ご存知だと思いますが、会社はその1年間に稼いだ利益について会社の所有者である株主に対して配当を行う必要があります。配当は通常会社が獲得した利益の範囲内で支払われます。金額については会社の機関である取締役会が提示して、株主総会で承認されることにより支払いが行われます。

この権利を「利益配当請求権」と言います。

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配当のしくみ

配当とは、前述のとおり株主に対して分配される利益のことを指します。株主は出資比率(全発行株数に対する保有株の割合)に応じて利益の還元をうけるという権利を持ち、企業側は決算期ごとに株主に対して利益を分配しなければなりません。

配当は大きく「現金配当」と「株式配当」の二種類がありますが、一般的に配当と呼ぶ場合は現金配当(現金により配当金を支払う)を指します。

 

配当金はいつ支払われるの?

配当金の支払いは「株主総会」の決議が必要です。
そのため、実際の支払いは総会後となります。また、その時、配当金が支払われるのは会社指定の期日において株主であった者となります。

たとえば、3月決算の会社の場合、通常は3月末が期日(権利確定日)となっており、その後6月ごろに株主総会が開かれて、その後に支払われる形になります。

この場合、3月末の株主に配当が支払われるので、その後、株を売却していた場合でも配当金は支払われます。この辺りに関しては「配当金・株主優待を受け取るポイント」でもっと詳しく説明しているのでそちらも参考にしてください。

 

最近は「株主優待」も人気

株主優待とは主に個人の株主(個人投資家)を対象としたサービスで、実施の有無は企業に任せられています。近年では個人株主確保のため、多くの企業で導入されており、様々なサービスが用意されています。具体的なサービス内容等については「株主優待ガイド」などをご参照ください。

 

配当の種類と用語説明

配当と一口にいっても実に様々なものがあります。以下では、それぞれの配当についてわかりやすく分類していきます。

普通配当

普通配当(ふつうはいとう)とは、決算期に行われる配当のことを指します。株主総会の決議を得たうえで配当額が決定されます。いわゆる配当(配当金)というのはこちらのことを指します。

中間配当

中間配当(ちゅうかんはいとう)とは、事業年度が1年の会社が決算期末のほか、年度の途中で行う配当のことを指します。年に1回しか決算を行わない会社であっても会社の決まりごとを定めた定款(ていかん)で中間配当を行うことを定めていれば配当を行うことができます。
最近はこの中間配当を行う会社も増えています。

四半期配当

四半期配当(しはんきはいとう)とは、2006年に施行された「会社法」により年間の配当の数に定めがなくなったことを受けて、四半期または不定期に行われる配当のことを指します。欧米諸国の企業では一般的に行われる配当ですが、まだ日本で四半期配当を実施する企業は少なめです。

特別配当

特別配当(とくべつはいとう)とは特配とも表記されるもので、特別な利益が出た場合に出される配当のことで通常は普通配当に対して上乗せされる形で配当されます。

記念配当

記念配当(きねんはいとう)とは、記念配ともよばれ創業10周年などの会社にとって記念する年に行われる配当で、通常は普通配当に上乗せされる形で配当されます。

無配

無配(むはい)とはその名前のとおり配当がないことを指します。会社の業績が悪く赤字になったなどにより配当にまわす原資がない場合など無配となることがあります。なお、前年までは配当を行っていたのに配当がおこなわれなくなることを無配転落と呼びます。株価的にはネガティブな要因となります。

復配

復配(ふくはい)とは、配当が無配状態から配当される状態に復活することを指します。会社の業績がよくなったことなどに起因して起こるのが一般的ですので、株価的にはポジティブな要因となります。

タコ配

タコ配とは、タコが自分の足を食べるということからくるように、実際には配当にまわす原資がないにもかかわらず、自らの資本や利益剰余金などを取り崩して配当を行うことを指します。投資家は配当をもらうことができますが、会社のたくわえを食いつぶしていることになりますので、ポジティブにはとららえられません。

配当性向

配当性向(はいとうせいこう)とは、会社が一年に挙げた利益のうち、どのくらいの割合を配当として株主(投資家)に対して還元しているのかをしめす指標です。配当性向が高い会社ほど利益に対する配当の額が大きくなります。

なお、配当金を受け当るためには「権利確定日」という日付で株主となっておく必要があります。
権利確定日は企業によって異なります。詳しくは「配当・株主優待を受け取るポイント」をご覧ください。