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株主責任とは何か?

企業が不祥事や業績悪化等による公的支援を受ける際などによくつかわれる言葉がこの「株主責任」という言葉です。企業が何かあった時に株主はその責任を負う必要があるのでしょうか?ここでは株主責任とは何かを分かりやすく解説します。

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株主責任は株主が出資した金額の範囲内で負う責任

株主責任というと、なにか株主が企業の代わりに責任を負わなければならないというように聞こえますが、そうではありません。

株主責任というのは、「株主の権利と義務」の中でも説明したとおり、企業が問題を起こした場合に、減資、既存株主に不利な形で増資などの形で、株主としての権利の喪失や株価の下落といった形で経済的な責任をとるという意味になります。

 

一番重い株主責任は「100%減資」

たとえば、記憶に新しい例では、JAL(日本航空)の100%減資があります。
これは、日本航空という会社が自力での再建が不可能ということで、お金を借りている銀行に債権放棄(借金の棒引き)を要求したり国からの公的資金の援助を求めたものです。

このとき、公的な支援の引き換えとして既存株主に対する100%減資という措置が取られました。これは既存の株主の株主としての権利を100%(すべて)喪失させるというもので、株主責任の中では一番重いものです。

2014年現在、JALは再生し再び上場していますが、今のJALと破綻前のJALは完全に別物となっています。破綻前のJALの株を持っていた人はその株は全部紙くずになっているのです。

 

99%減資+増資という株主責任の有り方も

このほか、少し昔になりますが、大手スーパーのダイエーが産業再生機構に支援を求めた際には普通株式の99%減資が要求されました。こちらの場合は、1%分が残っているので、株主責任としては、100%と減資と比較して軽くなっています。

単なる99%減資だけでは実質上は何も変化ありませんが、上記のダイエーの場合は99%減資を行った後に、再生機構に対して増資を引き受けてもらっているため、相対的に既存株主の保有価値が小さくなっています。

減資については「減資と株価」でより詳しく説明していますので興味がある方はこちらも御覧ください。このような形により、既存株主が投資している資金の減少という形で責任をとることを「株主責任」といいます。