PER(株価収益率)
PER(株価収益率)は株価の割安・割高を把握するための株価分析に広く用いられる指標です。計算方法は株価をEPS(一株あたり利益)で割ることで計算されます。単位は「倍」で表現され、一般的に投資家が現在の株価で株を買った場合、何年間でペイすることができるのかを判断する材料として利用されます。
PERの計算式
計算式
PER=現在の株価÷EPS(一株あたり利益)
【使用する指標】
・EPS(一株あたり利益)
PERの活用方法
PERは投資家の株価比較の際に広く持ちいられる株価指標の一つです。PERが20倍という場合、現在の株価で投資をした場合、利益額が全額配当にまわされた場合20年間でその投資元本を全て回収することができるという意味になります。利回りに換算すると5%ということになります。対してPERが30倍という場合は現在の株価で投資をしたら、30年で元本回収、利回り3.3%ということになります。
つまり、PERとは投資資金の回収速度を示す指標といえるのです。PERの倍率が低いほどその会社の株価は割安ということになり、逆にPERの倍率が高いほどその会社の株価は割高ということになります。
例えば、Aという会社の株価が800円、Bという会社の株価が600円だとしても、どちらの会社の株価がより割安かを株価だけでB社が割安と判断することはできません。しかし、ここでPERを利用することでどちらの会社が収益に対してより割安かを判断することができます。A社のEPSが40円、B社のEPSが20円だと仮定します。その場合のPERはA社は20倍、B社は30倍となり株価が高いA社の方がPERで見ると割安ということになります。
PERは株価分析に対して万能か?
では、投資をする際はPERで全てを判断してよいのでしょうか?答えはNOです。PERの計算のモトとなっているEPS(一株あたり利益)は通常、去年の利益または来年の予想利益を元に計算されるのが一般的です。つまり、将来にわたっての一株利益というわけではないのです。
例えば先ほどのA社とB社の例をもう一度見ていきます。A社のPERは20倍(現在株価800円)、B社のPERは30倍(現在株価600円)でしたが、このEPSの変化をA社の成長は10%、B社の成長は30%であったと仮定していきます。
A社のEPS |
A社のPER |
B社のEPS |
B社のPER |
|
| 今年 | 40円 |
20倍 |
20円 |
30倍 |
| 1年後 | 44円 |
18.18倍 |
26円 |
23.07倍 |
| 2年後 | 48.4円 |
16.52倍 |
33.8円 |
17.75倍 |
| 5年後 | 64.4円 |
12.42倍 |
57.1円 |
10.50倍 |
上記をみればわかるとおり、将来(5年後)にはB社のPERの方がA社のPERよりも低くなっており、現時点で見てもB社の方が割安となってしまいます。
つまり、会社の成長率が高い場合は、成長率が低い会社に比べてPERが割高となっても、将来的なEPSの伸びが期待される場合は割高が正当化されるのです。この場合、成長率の高い会社と低い会社をPERで比較しても意味がありません。
次の項目では、PERをどのように利用・活用すべきかを説明していきます。
PERは同業他社の比較に用いる
PERを活用する際のポイントは会社としての比較を「同業他社間」で利用するのがポイントといわれています。同じ業界の会社間であれば業界としての伸び率もほぼ同じくらいでしょうから、PERによる株価が割安か割高かを比較するのに適しています。
また、同業他社を含めた業界のPERと、投資対象のPERを比較してみて割安かどうかの判断などを行います。
過去のPER水準との比較
過去のPERの水準と比較してみるのも良いでしょう。株価は本来は将来を見ていくものですから、過去の数値に意味はないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、例えばその会社が平均的にPERの水準が15倍程度で今現在が10倍前後となっているのであれば割安感があると判断できるでしょう(その会社の収益水準が変化していないという前提ですが)。

