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配当利回りの計算方法、仕組み、活用方法

配当利回りとは、現在の株価で投資を行った場合に年率換算でどれだけの配当金を受け取ることができるのかを示す指標です。債券投資や預金などとのパフォーマンスを比較する際に用いられることがある投資指標の一つです。予定配当金の額を現在の株価で割り100倍して計算されます。単位は「%」。

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配当利回りの計算式

計算式
配当利回り=配当額(予定額)÷株価

なお、配当利回りには、過去の配当実績から計算される配当利回りと、将来の配当金(未確定)を元に計算する「予想配当利回り」があります。 通常配当利回りと表記されている場合、過去(前期)の配当実績をもとに書かれているケースが多いです。
この点は下記の注意点のところにも記述しておりますが、注意が必要です。

 

配当利回りの活用方法

配当利回りは、実際に会社の利益水準と必ずしも一致するわけではありませんので株価と直接的な関係性は高くないともいえますが、やはり配当利回りの高い会社の株式は株式市場においても人気となります。配当水準の高さから、その高さが株価の下支えとなることも想定されます。

例えば年間に投資した金額の5%の配当金を受けることができるといわれたら魅力に感じるのではないでしょうか?2008年の3月に野村総合研究所(野村総研)の投資家アンケートによると配当利回りにおいて投資家が魅力を感じる水準として2.0%〜2.5%というアンケート結果がでていました。預金金利がすずめの涙の現在では数%程度の配当利回りが投資家にとって大きな魅力となっているのは確かです。

なお、配当金の額や修正(増配・減配・無配転落)と具体的な株価の動きについては「配当と株価」もご参照ください。

 

配当利回りで投資をする際の注意点

では、配当利回りが高ければ投資価値があるのか?といわれたら必ずしもそうではないといえます。以下のような場合注意が必要ですので気をつけましょう。

  • 記念配・特別配に注意
    記念配(記念配当)とは、会社の30周年など記念すべき年に出される特別の配当のことです。特別配(特別配当)とは、会社に特別な利益が出た場合に行われる配当です。この記念配当や特別配当というものは、一定の年だけに配当されるものです。その翌年にはその配当は配当されなくなるのが一般的です。記念配当や特別配当の配当利回りに釣られるのは注意しましょう。

  • タコ配に注意
    タコ配(タコ足配当)とは、十分な利益がでていないにも関わらず利益を越える額を配当することを指します。単純にタコ配かどうかを調べるには「EPS」と「配当額」を比較してみると良いでしょう。EPSは1株あたりの利益ですから、EPSよりも高い配当を出している場合はタコ足配当をしていることになります。
    タコ配となるのが、一時的なら良いのですが、複数期にわたって継続する場合は「減配」のリスクが高まります。

  • 配当は固定されたものではない点に注意
    配当はあくまでも当該事業年度における利益の分配として行われる配当です。決して将来的に安定して配当されることを約束したものではありません。多くの会社は安定した配当をするように心がけていますが、業績の悪化などにより配当額が減ったり(減配)、配当が無くなったり(無配転落)することもあります。
    たとえば、業績の急降下によって株価が大きく下落しているような場合、配当利回り(過去実績)をみると利回りが高く見えますが、業績悪化によって配当が減額または無配転落するようなケースもあります。業績急変銘柄への投資の場合は注意しましょう。

 

個人投資家必見 配当利回り+株主優待利回り

個人投資家に対して、いくつかの会社は株主優待を発行している会社があります。この場合、配当だけでなく、株主優待も視野に入れて考えることができます。例えば金券や優待券などはネットオークションを通じて売却することもできますし、金券ショップで売ることもできます。また、自分自身で使うこともできます。

このように、現金による配当以外の魅力も配当利回りに加えても良いと考えられます。こうした配当金の株主優待の換金価値を加えたものを「優待利回り」などと呼ぶことがあります。

ただし、株主優待の廃止は「取締役会の決議事項」とされており、会社側は配当よりもさらに簡単に優待を廃止することはできますので、その点もしっかり考慮しましょう。
また、株主優待は保有する株数によって優待内容や割合が変わることも多いので、利回り計算する場合が注意が必要です。

 

配当利回りが低い会社はダメ企業?

配当利回りが低い=悪い会社というわけではありません。
特に、成長企業などは配当として外部にお金をだすよりも、そのお金を自社内で再投資して収益を上げる方が効率であるというケースも多々あります。

そうした会社は配当は低くても成長によってEPS(1株あたり利益)が上昇。結果的に株価も大幅に上昇することで株主に対してインカムゲインではなくキャピタルゲインで果実を還元してくれることになるわけです。

そのため、一概に配当利回りが低い会社は悪い会社であるとはいえないわけです。