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逆日歩の意味と株価への影響

逆日歩は、空売り(貸し株)の数量が増加することで、空売りのための株券を調達している証券金融会社が自身では調達できなくなることで、その株を保有してる大口投資家(機関投資家等)から株券を借りる際に支払う費用です。この費用は売り手(空売りをしている投資家)が負担し、額によっては大きく需給に影響をあたえます。
なお、読み方は逆日歩(ぎゃくひぶ)です。

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逆日歩のシステム

信用取引を行う投資家が空売りをする場合、から売りをする数量の株券を調達しなければ売ることができません。この売る株式は証券会社が用意して、これを投資家に貸す事で用意します。その際には、貸株料(かしかぶりょう)と呼ばれる金利相当を投資家から、証券会社は受け取ります。

しかし、証券会社が融通できる株式の数にも限界があります。その時は「証券金融会社」という会社から株券を借りて、投資家に貸し出します。

証券金融会社で株不足になる(逆日歩の発生)

証券金融会社は証券取引所の会員である証券会社に対して信用取引(制度信用取引)の際自己融資でまかなえない投資家からの現金(資金)や株券 の貸借について、有価証券や資金を証券会社に貸し付ける業務の他、証券会社や個人投資家に対して証券担保金融を行うことが業務内容とされています。


図解(1)
しかし、信用買い融資に対して信用売りの貸株の数量の方が多くなると、証券金融会社でも株不足となります。こうなると、証券金融会社は、同社の株式を保有する安定株主(大株主や売却予定のない機関投資家など)から、その会社の株式を借りてきて株券を調達し、同社の株を空売りする投資家に貸株することになります。

この際、大株主は証券金融会社に株式を貸すわけですが、無料で貸すわけにはいきません。そこで発生するのが逆日歩(品貸料)なのです。

逆日歩(品貸料)は入札により決定します。方法は、証券金融会社が○○という会社の株不足が生じています。大株主の方で貸してくれる人はいませんか?貸してくれるなら1株1日いくらで貸してくれますか?とアナウンスして、大株主に入札してもらい、安い価格で貸してくれる株主から株券を調達します。

 

逆日歩(品貸料)の負担は誰がするのか?

逆日歩の負担は、当然ですが、空売りをしている投資家が負担することになります。逆日歩(品貸料)は「1株につき1日5銭」などというように表現されています(なお、調達コストが0だった場合は「零」と記載されます)。例えば、1万株を保有していた場合には、1万×0.05円=500円が逆日歩として支払う必要があるのです。

逆に、信用買いをしている投資家は、証券金融会社から融資をしてもらって、同株を買っているわけで、株の調達をしているのと同じことになりますので、逆日歩を受け取ることができます。(図解1参照)

逆日歩が発生することで、空売りをしている投資家には負担が生じ、空買い(信用買い)をしている投資家には利益が生まれます。また、逆日歩が発生するということは、需給面で空売りの増加が生じていますので、取り組み妙味から株が大きく買われ踏み上げ相場となることもあります。

 

さらなる過熱で「逆日歩10倍適用」「売り禁」などの措置へ

その後も相場の過熱が続き、空売り残が増加すると、市場における株不足が深刻化してきます。株不足が深刻化すると、それに伴い調達コストも上昇しますので、これに伴い逆日歩の額も大きくなってきます。なお、逆日歩の決まり方には一定のルールと上限があります。
しかし、異常な貸し株超過などが起こった場合は、逆日歩の10倍適用などが行われ、思わぬ高額の逆日歩を負担する必要が出てくることもあるので注意が必要です。(高額逆日歩の事例と発生理由

ただし、多くの場合は、その前に「売り禁」措置がとられることが多く、空売り自体が禁止されます。

 

売り残の残高によっては取り組み妙味から仕手化することも

売り残(貸し株)は将来の買戻し圧力となります。このため、売り残(貸し株の残高)が大きくなってくると、取り組み妙味とも呼ばれるように、株価の上昇を引き起こすことがあります。このことを「踏み上げ」と呼びます。詳しくは上記のリンク先ページで説明していますので参考にしてみてください。

 

 



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