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成長力や収益力を見る財務分析

成長力や収益力を見る財務分析では、企業の成長性や効率性、収益性などを財務諸表を通じて分析するための指標(財務分析)について、様々な指標の計算方法やそれぞれの指標がどのような意味を示しているのか解説していきます。

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企業の収益力、成長性を財務から分析する

企業の収益力や成長性は財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)から分析することができます。

投資家たちは、投資する会社がちゃんと収益をあげているのか?効率的な経営をしているのか?ということを監視するために下記でしめすような指標を使って企業経営の効率性を分析しています。

ただし、注意したい点としてこれらの指標は企業の収益性・収益力の高さなどを分析することはできますが、それと株価についての分析はされていません。一般的に収益力が高い会社はそれだけ株式市場でも評価されているので、合わせてPERなどの指標も一緒に活用することをお勧めします(参考:株価の状態を見る財務分析)。

指標の名前 どんな指標なの?
ROE
(株主資本当期純利益率)

株主から預かっている資本金をどれだけ有効に活用しているかを示す指標になります。投資家サイドから見た企業経営の効率性を示す指標として特に欧米投資家は注目しています。

ROA
(総資産当期純利益率)

株主資本だけでなく、企業保有するすべての資産に対する経営の効率性を示す指標になります。
投資家というより、経営者側から見た企業経営全体の効率性を示す指標になります。

総資本回転率 どれだけ資本を有効に回転させて(動かして)いるかを示す指標になります。経営の効率性を示す指標です。
売上高利益率 売上額に対する利益率がどれだけ高いかを示す指標です。利益率というのは言い換えれば他社に対する強みでもあるわけで利益率の高い会社ほど、他社以上の競争力を持つことを示しています。

 

ROEやROAは重要な指標、一方の健全性は?

経営の効率性を示すROEやROAは特に多くの投資家からみられている項目です。

一方で、日本企業は欧米企業と比較してこれらの経営指標に対する意識が低いと言われています。ROEやROAなどは効率的に経営することが求められます。

ROEやROAの場合資産が利益を生まない状況で埋もれていることは指標を押し下げる要因となります。たとえば多額の現預金はほとんど収益を生みません。日本企業は儲かった利益を社内に留保することがおおく、そのため、ROEやROAなどが欧米企業と比較して低くなっています。

しかしながら、ROEROAの詳細説明ページを見ていただければわかるかと思いますが、たとえばROE中心の経営では、負債を利用してレバレッジを使った経営が効率的になります。

これらの経営効率を突き詰めていくと、企業の財務体質は比較的リスキーに動いてしまう面もあるわけです。たとえば、売上を生まない現金の保有を極端に減らすと、万が一経営がうまくいかなかった場合の資金繰り懸念などが生じることになってしまいます。

もちろん、効率性も重要なのですが、抱えているリスクが顕在化した時の健全性についても評価しておく必要があると私は考えています。
企業の健全性を示す財務指標は「健全性や安定性を見る財務分析」をご参照ください。