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株価の決まり方
株式投資初心者の方の疑問として多いもののひとつに、株価(株の値段)はどのようにして決まるのか。というものが挙げられます。ここでは、株式市場における株価を決める二つのルール「板寄せ」と「ザラ場寄せ」という二つの方法について説明していきます。
株式市場ではこの二つの株価決定方法を採用しており、状況によって使い分けています。
例外はありますが、相場が始まる時は「板寄せ」、その後取引が開始されたら「ザラ場寄せ」によって売買が進行することになります。
株価の決まり方の基礎
資本市場における値段は「需要(買い注文)」と「供給(売り注文)」により価格が決定されるというのが基本です。
株式市場でも同じです。株価はこの需要と供給の大きさによって決定されます。つまり、買い注文の価格と数量、売り注文の価格と数量によって決定するわけですね。
じゃあ、この買いと売りのバランスをどのようにマッチさせるのか?というのが冒頭でも説明した「板寄せ」と「ザラ場寄せ」という二つの方法です。
ちなみに、「ザラ場」というのは株が売買される時間帯のことで、その中でも寄り付きと、引けをのぞいた時間帯のことを指します。
板寄せ方式
板寄せ(いたよせ)とは、場(相場)が始まる際に最初の値段(始値)などを決める際に行われる株価決定法です。板寄せによる株価決定が行われるのは以下の場合となります。
- 前場と後場のそれぞれの始値と終値を決定する売買(最初の取引)
- 売買停止があった場合で取引を再開した際に最初の株価を決定する売買
- 特別気配を示しているときの株価を決定する売買(参考:特別気配とは)
難しく書いていますが、要するに相場が始まる時間。朝(前場)なら午前9時の始値を決める時。昼(後場)なら12時30分の始値を決めるタイミングですね。
板寄せによる価格決定の方法
板寄せにより株価が決まるのは以下の条件を満たす価格で株価が決定します。
- 成行注文の全てが約定する(参考:株の注文方法)
- 約定価格より高い買い注文と売り注文が全て約定する
- 約定価格において、売り注文または買い注文のいずれか一方すべてについて約定し、他方は単元株以上が約定する
以上の条件です。難しく書いていますが、始値(最初の値段)を決める時は、その時点で出されている売買注文をすべて付き合わせて、バランスがとれる価格で株価が決まるということになります。
ザラ場寄せ
ザラ場寄せ(ざらばよせ)というのは、取引開始後に行われる株価の決まり方です。
相場の取引時間中のことを「ザラ場(ザラバ)」というのでこのように呼ばれます。別途、オークション方式とも呼ばれることがあります。
今出されている売買注文を板(いた)・気配値(けはいね)と呼ばれる表示方法で示した上で、それぞれの買い注文、売り注文に合わせて取引を都度成立させるものです。
下記が「板(気配値)」のサンプルです。
売り数量 |
価格 |
買い数量 |
2190000 |
103円 |
- |
10000 |
102円 |
- |
2000 |
101円 |
- |
- |
100円 |
12000 |
- |
99円 |
8000 |
- |
98円 |
2000000 |
すでに101円には2000株の売り注文があります。ここで、誰かが101円に対して1000株の買い注文を入れた場合、101円にある2000株の売り注文の内1000株が約定(注文成立)します。この場合の取引価格は101円ですので株価は101円となります。
さらに、別の投資家が2000株を成行注文で買い注文を行った場合、101円の残り1000株では足りませんので、102円にある10000株のうち1000株を102円で購入することになります。こうなった場合株価は102円へと上昇します。
このようにして、板(気配値)を元に売買の都度株価が形成される株価の決まり方を「ザラ場寄せ」と呼びます。もちろん、売りの場合も同じ理屈となります。
なお、この板(気配値)の見方や注文を出した時の動きなどについては次のページ「板情報(気配値)の見方」でもっと詳しく説明していきます。
板は相場の現状や勢い、流れなどを知る上でとても大切なツールです。ぜひこの板の見方をマスターするようにしましょう。
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