板(気配値)の見方
板(いた)とは気配値(けいはいね)とも呼ばれるもので、特定の銘柄(株式)に対して証券取引所に対して寄せられている売買注文(売り買いの注文)の状況を知るためのツールの一つです。単に「気配」ということもあります。
板(気配)は、現在市場に出されている売買注文状況はもちろん、買い手、売り手の優劣、今どのような価格、数量で注文を出せば株を買えるのか(売れるのか)を一目で理解することができます。板(気配値)の読み方や見方を確実にマスターしていきましょう。
板(気配値)とは何か?
板(気配値)とは、現在の株の売買状況のことを意味します。買い注文と売り注文がどれだけどのような価格で入っているのかを一枚の表としてみることができます。慣れてくるとこの板を見るだけで今の取引状況がどうなっているのかが分かるようになってきます。
ちなみに、「株価の決まり方」で説明した板寄せ、ザラ場寄せの状況を知るのも、この板(気配値)です。それ では、具体的にサンプル板を見ながら板情報と気配値について解説していきます。
板(気配値)のしくみと読み取り方
板(気配値)とは、主に以下のような表であらわされています。
本来は中心値を中心として上下8本の注文情報を見ることができます。
売り数量 |
価格 |
買い数量 |
成行 |
||
702000 |
105円 |
|
60000 |
104円 |
|
2190000 |
103円 |
- |
10000 |
102円 |
- |
2000 |
101円 |
- |
- |
100円 |
12000 |
- |
99円 |
8000 |
- |
98円 |
2000000 |
97円 |
15000 |
|
96円 |
20002 |
左側には現在その銘柄に対して寄せられている売り注文の指値価格と売り数量が表示されます。対して、右側には買い注文の指値価格とその数量が表示されています。通常は売り注文、買い注文ともに上下5つの値段が気配として表示されています。
(一番上の「成行」というところは成行注文がどのくらい出されているかを表示するものでこれは通常「寄り付き(板寄せ)」の時や「特別気配」の時などに表示されます)
この板(気配値)を見ることで現在どの程度の売買が行われているのかを知ることができます。多くの場合、上記の板情報(気配値)はリアルタイムに更新されます。
(証券会社のサービスにより異なります。板情報(気配値)には更新が必要な場合もあります。)
板(気配値)を見ることでわかることといえば、以下のようなことが挙げられます。
- 今その株を購入(売却)するならいくらで何株くらい買えるのか(売れるのか)
上記の例では、株価101円では2000株の売り注文、株価100円では12000株の買い注文が出ているということになります。つまり、この株式を3000株ほしい場合、101円で2000株を購入できますが、2000株で101円の売りはなくなってしまいますので、板のその上にある102円の売り注文10000株の中から残りの1,000株分を102円で購入する必要があります。
対して売りたい場合は、100円で12000株も売り注文がありますので、3000株を売りたいという場合は100円で3000株全てを売却することができます。
- 現在の売買の状況は活発かどうか
板(気配値)の株式がどのように売買されているのかは板を数分眺めていればわかります。買い数量が増えて、売り板(例では101円)がなくなって、数字が一個上に上がるような場合は株価が上昇していることになりますし、逆に売りの数量が増え、買い板(例では100円)がなくなって数字が一個下に下がるようであれば株価が下落していることになります。
また、上下はしないものの、売買の板の注文が増えては消化され、増えては消化されという具合の場合は売買がそれだけ活発であるということを意味します。
なお、注文が一方方向に集中している場合を「特別気配(特買い・特売り)」と言います。
- 板の厚さ(上値や下値の抵抗度合い)
また、売りと買いの数量が非常に多い場合や特定の価格のところだけ、注文数が多いような場合(例では、103円の売り板と98円の買い板)では、それらが非常に大きくなっており、これらの株価水準が上値や下値の抵抗線となっていることも理解できます。
これらをブレイク(突破)するような場合、相場が大きく動くことも想定されます。
このように、板情報(気配値)は株式の取引において様々な情報を知ることができるツールです。株式取引においては板情報を積極的に活用しましょう。
板(気配値)はどこで見ることができる?
気配については、証券会社に口座を開設すれば、ホームページやトレードツールなどから参照することができます。リアルタイムで板情報(気配値)を知りたい場合はトレードツールを使うと便利です。人気のツールについては「リアルタイム株価ボード比較」をご覧ください。
なお、通常見ることができる板は上下5本の値段ですが、最近では「フル板」といってストップ高からストップ安までの値幅制限いっぱいの注文状況を見ることができるサービスも一部の証券会社で提供されています。詳しくは「フル板を無料提供する証券会社比較」をご覧ください。
ここまでで、株価の決まり方やどうやってそれを見ていくか、ということを説明してきました。
次は株価の流れである「歩み値、呼び値」についてみていきたいと思います。
歩み値は過去の株価の動きを示すもので、呼び値というのは売買する際の最低単位の金額を指しています。
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