株価の値幅制限(ストップ高・ストップ安)
株式市場では、急激な相場変動により混乱が起きないよう、相場の加熱を抑えるためのサーキットブレーカーと呼ばれる制度があります。その一つとして挙げられるのが「値幅制限(ねはばせいげん)」と呼ばれる制度です。
値幅制限は一日の売買による価格変動を一定範囲とすることで、短期間のパニック的な相場の上昇や下落などを抑える働きがあります。値幅制限の上限をストップ高、下限をストップ安とも呼びます。
値幅制限とは
値幅制限とは、相場の行きすぎを抑えるための措置(サーキットブレーカー)の一種です。相場は加熱すると、極端な動きをすることがあります。こうした極端な値動きにより大きな経済的な損失や混乱が起きないようにするための措置のことをサーキットブレーカーと呼び、値幅制限もその一つです。
値幅制限とは、特定の銘柄について一日の変動幅を一定の範囲に定めることを指します。この値幅制限における上限をストップ高と呼び、これ以上その日の取引では株価は上がりません。この水準を「ストップ高」と呼びます。
逆に、値幅制限の加減をストップ安と呼び、これ以上その日の取引では株価が下がらないようになっています。この水準を「ストップ安」と呼びます。
値幅制限の幅というものは、前日の取引終値で決定されます。ただし、3営業日連続で取引が無い状態でストップ高またはストップ安のいずれかの方向に連続して張り付いた場合、値幅制限の幅が2倍に拡大します。
基準価格(前日終値) |
値幅制限 |
|
〜100円 |
30(50)円 |
|
100円以上 |
200円未満 |
50円 |
200円以上 |
500円未満 |
80円 |
500円以上 |
700円未満 |
100円 |
700円以上 |
1000円未満 |
150円 |
1000円以上 |
1500円未満 |
300円 |
1500円以上 |
2000円未満 |
400円 |
2000円以上 |
3000円未満 |
500円 |
3000円以上 |
5000円未満 |
700円 |
5000円以上 |
1万円未満 |
1000円 |
1万円以上 |
1.5万円未満 |
3000円 |
1.5万円以上 |
2万円未満 |
4000円 |
2万円以上 |
3万円未満 |
5000円 |
3万円以上 |
5万円未満 |
7000円 |
5万円以上 |
7万円未満 |
1万円 |
7万円以上 |
10万円未満 |
1.5万円 |
10万円以上 |
15万円未満 |
3万円 |
15万円以上 |
20万円未満 |
4万円 |
20万円以上 |
30万円未満 |
5万円 |
30万円以上 |
50万円未満 |
7万円 |
50万円以上 |
70万円未満 |
10万円 |
70万円以上 |
100万円未満 |
15万円 |
100万円以上 |
150万円未満 |
30万円 |
150万円以上 |
200万円未満 |
40万円 |
200万円以上 |
300万円未満 |
50万円 |
300万円以上 |
500万円未満 |
70万円 |
500万円以上 |
700万円未満 |
100万円 |
700万円以上 |
1000万円未満 |
150万円 |
1000万円以上 |
1500万円未満 |
300万円 |
1500万円以上 |
2000万円未満 |
400万円 |
2000万円以上 |
3000万円未満 |
500万円 |
3000万円以上 |
5000万円未満 |
700万円 |
5000万円以上 |
1000万円 |
値幅制限は2010年より拡大されております。
値幅制限に関する特例
値幅制限に関して上記の表は通常時のもので、特別な条件を満たした場合は値幅制限の拡大等が行われます。
3営業日連続のストップ高・ストップ安
ストップ高またはストップ安の値幅制限いっぱいが3日間連続した場合、値幅制限が2倍となる拡大措置が取られます。ストップ高3日→上限のみ2倍、ストップ安3日→下限のみ2倍。
相当大きな衝撃が走った時には連続でストップ高、ストップ安になることがあります。そのような場合に早く値段を付けるための拡大措置となります。
ザラ場中に一度でも値段がつけば連続扱いにはなりません。
株式が整理ポストに移された時
上場廃止基準に抵触して、その株が「整理ポスト」に移された場合、その翌々営業日より下限値幅のみが撤廃されます。ただし、その後約定価格が決定された場合翌営業日から通常の値幅制限となります。
なお、整理ポストについての説明は「監理ポスト・整理ポスト・上場廃止」も合わせてご覧ください。
整理ポストというのはいわゆる「上場廃止が決定した株」です。当然ですが、株価が大きく下がることになりますおで、値幅制限を解除して早く値段を付けるようにします。
この値幅制限(ストップ高・ストップ安)と切り離せないのが「特別気配(特買い、特売り)」というもの。買い注文や売り注文の一方が極端に増えた場合には、「特別気配」という形となって、売買方法が一時的に変更されます。
次のページではこの特別気配について説明していきます。
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