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大手総合証券を利用するメリット、デメリット
株式投資をするときには、いわゆるネット証券(ネット専業証券)と大手の総合証券との間でどちらに口座を作るかを迷われ方も多いようです。
正直言って、個人投資家が利用するという前提で考えれば手数料の差は歴然であり、基本的には大手総合証券ではなく、ネット証券を使うべきというのが結論にはなるわけですが、今回は大総合証券に目を当てて、そのメリットとデメリットをまとめていきたいと思います。
大手総合証券会社のメリット
まずは大手総合証券会社のメリットからまとめます。
1)IPOなどのいわゆる「募集物」につよい
最大の利点はここでしょう。特に「IPO」などは成績が好調なことなども受けてネット証券でも非常に人気が高まっています。一方でこうした募集物については専門の引き受け部隊を抱えていたり、そもそも総合証券が、企業のIPOをサポートするという面もあるため、総合証券に部があります。
「IPOにおススメの証券会社」などを見ていただくと大手ネット証券の躍進も目立ちますが、引き受けの際の規模(数量)が違います。
2016年3月期のIPO引き受け件数は野村證券が46件とSBI証券の82件より劣っていますが、そう引受金額をベースにしたら野村證券に数倍以上の差をつけて負けているはずです。
また、IPO以外にの公募増資などの株も同様のことが言えます。
2)お金持ち向けのサービスは多い
いわゆる富裕層や大株主などに対するサービスは充実しています。
たとえば、最近ではネット証券でも「貸株サービス」などが登場していますが、もともともは大株主向けのストックレンディングと呼ばれるサービスを個人投資家向けにしたものです。
大口向けの債券などは個人投資家用に作られた公募債などよりも条件が良いような場合もあります。
3)担当者が付く
ある程度の資産規模や見込みのある顧客には窓口のお姉さんではなく、コンサルティング課などの担当者が付くのが一般的です。これがメリットかどうかは別として、仲良くなればIPOなどの儲かる可能性が高い商品を優先的に配分してくれたりします。
その一方で「お付き合い」的な取引をする必要があることもあるので、よほどの人でなければあまりメリットではないかもしれません。
大手総合証券会社のデメリット
続いてデメリットと呼ばれる部分です。
1)手数料が高い…
最近では少し改善の傾向もみられますが「約定ごと手数料で証券会社の手数料比較」などでも示している通り手数料が高いです。
たとえば、100万円の株を買う時、「SBIネオトレード証券」でかかる手数料は340円です。一方で大手総合証券の「みずほ証券」の場合ネット取引専用口座でのトレードでも手数料は3402円です。なんと10倍ですよ、10倍。
いくらなんでも高すぎるでしょう……。
2)担当者って本当に信じていいの?
全部が全部とは言いませんが、大手総合証券会社の営業(担当者)にはノルマがあります。こうしたノルマって何かというと「手数料」だったり募集物の株や投信などの「販売数量」です。
顧客の目的:投資で利益をあげること
営業の目的:売買を通じて手数料を抜くこと。募集物を売り切ること。
これがなかなかかみ合わないんですよね。募集物は売り切るのが前提です。
たとえば、公募増資などの銘柄で「市場で買ったほうが明らかに得」な状態のものでも営業マンは売り切る必要があります。
また、投資信託などでもほぼ同じ商品でも手数料率の高い商品ばかりをすすめるような営業もいます。たとえば同じ日経平均に連動するインデックスファンドでも
ニッセイ日経225インデックスファンド
販売手数料:無料
信託報酬:0.2625%
株式インデックス225
販売手数料:無料
信託報酬:0.432%
といったようにコストにかなりの差がある商品があります。時々平気で高コストのファンドを進めてくる人もいます……。ちなみに、上記はまだかわいいもので販売手数料が4%とかするファンドもありますけどね。
以上のことから、普通に株の売買をするというのであれば、ネット証券を利用するほうが圧倒的に有利です。どうしても大手で、という方までは否定しませんが。
ちなみに、大手でかつネット取引というのであれば手数料面を考えて「SMBC日興証券」が最もお得な水準になっています。